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経済誌フォーNET 2008年6月号〜コラム「インターネットよろず話」

「ケータイ世代とこれからのサービス」

 PC世代の私から見た、携帯で行うコミュニケーションの特徴は「途切れない」という事と、常に「近くにある」ということでしょう。

 通常PCの場合は、椅子に座ってモニターを眺めメイラーやWeb等の他の情報も見る事となります。

 メールなどでコミュニケーションをとる際も、他の情報をモニター上に出しながら作業を行えるので、コミュニケーションの手助けが可能となります。しかし、すべての作業が終わると、PCは電源を切る事となり情報の発信は途切れてしまいます。寝るときにはPCは机の上のまま、自分はベッドに入る。ベッドの中までPCをもって入る人は稀でしょう。

 ところが、携帯だと常に近くに置いていることとなります。ポケットやカバンの中、寝るときでも電源を切らずに枕元に置くことが多いです。これが携帯の特徴です。携帯メールを相手に送るときも、「常に相手も携帯は持っている」という感覚を無意識に感じていると思います。

 1980年後半生まれ以降の人は、幼いころから親を含め周りには携帯が手元にあった人たちに囲まれて育っています。高校生での携帯所有は当たり前、中学校や、今では小学校でも携帯を所有している世代です。家庭用のPCの普及や、小中学校の情報教育の推進もあり、PCを普通に使える環境になってきています。しかし、このようなケータイ世代があえて携帯を主に使うのは、こんな理由があるからかもしれません。

 昨今モバイルマーケットが急成長しています。その中にモバゲータウンというサービスがあります。このモバゲーが成長を記録している背景には、彼らのニーズにピッタリはまったというのがあります。どういったときに携帯を利用しているのか?彼らが使うときはちょっとした細切れ時間に利用している様です。移動時間、休憩時間、就寝前の時間などなどです。携帯のどこでも利用できる「途切れない」という利点がちょっとした時間の消費に利用されているのです。

 つまり、いつでも終了でき、いつでも再開できる短いサイクルのサービスが携帯には適しているように思います。

 一方、PCは携帯に比べ圧倒的に情報量と速さ、質を誇っています。情報収集などのように時間をかけ、じっくり目的に達するサービスが適しているでしょう。

 このように、何でも携帯にサービスを持ってきてもおそらく上手くいかないでしょう。

 PCのサービスを携帯に持ってくるのは技術的にさほど難しくはありません。しかし、いつでも終了できて、どの段階でも満足できるようなサービスがケータイには求められると思います。